乳腺腫瘍の猫さんを保護しました
2015.10.19(Mon)
10月初旬、TNR(T=Trap 捕獲する N=Neuter 不妊手術をする R=元に居た場所に戻す Return)予定の2猫さんの捕獲カゴのなかに、予定外に入ってしまった猫さん。3猫さんの関係は、祖母--娘--孫♂と推定されました。猫の数が多くなりつつある地域のため、3猫さんともに不妊手術となりました。
→→⭐︎さくらねこ❤️TNRとは?@公益財団法人どうぶつ基金
捕獲カゴの設置、猫さんの動物病院との往復の搬送は、猫さんのいる地域の保護団体であるPure Heart Loversさんが担当してくださいました。不妊手術の費用は、この猫さんたちがお庭にお邪魔していたご家族様が拠出してくださいました。
不妊手術を終えた時刻にPHLさんから私にいただいたご連絡で、予定外に捕獲された猫さんが乳腺腫瘍であることを伝えられました。そこで、この猫さんのリリースは中止していただきたい旨、PHLさんと不妊手術費用を出してくださったご家族にお願いしました。PHLさんは、この猫さんのために保護スペースを用意してくださいました。

初日からしばらくの間はケージレストをお願いしました。
翌日、手術を実施してくださった獣医さんに詳細を電話でおたずねしました。約3センチの腫瘍が自壊しており切除したものの、ほかにも腫瘍が複数あり今後自壊していくこと、本来TNR予定の猫さんであれば不妊手術のみを実施するのが通常であるにもかかわらず今回はあまりにも酷い状況のためやむをえず切除手術に踏み切ったこと、切除手術をしなかった場合の余命は約1週間ほど、というお話でした(不妊手術は予定通り実施)。
今後、切除していない腫瘍が増殖して自壊を繰り返していくことが予想されます。傷跡をケアしてあげられる関係の人間はいないので自壊した傷口からでる膿もそのままになるでしょう。だんだん寒くなってきている時節を考えると、不妊手術と腫瘍切除手術とを受けたちいさな身体で寒さに耐え、空腹に耐えることは難しく、ひとしれず寿命を終え、亡骸はゴミ扱いになることが想像できます。
これまで苦労した分、この猫さんの余生に、雨、風、寒さ、空腹の心配をしない生活を提供できればと考えました。ただ、この猫さんにとって、人間はまだまだまだまだ「怖い」存在です。
まずは名前をつけることから始めました。
私が初めてこの猫さんを見たのが9月28日でした。TNR予定の猫さんたちのお邪魔しているお宅にお伺いしたときに、玄関先にひっそりと佇んでいました。この日を境に、あたらしい猫生が始まったのだと考えました。9月28日の誕生花のひとつから「しおん(紫苑)」を選びました。
PHLさんも、しおんの状況を心配してくださり、しおんのために大切な一室を提供してくださいました。怖がりのしおんは、エアコンのうえに隠れたりして、どこに行ったのか?と私たちをとても心配させました。

乳腺腫瘍は悪性のものが多いので、今後のことを考えると、腫瘍専門の先生に診てもらう必要があります。空ちゃんも定期的に診察していただいてる二次診療機関を受診することになりました。
鎮静をかけての診察と検査の結果、すでに肺に転移していることがわかりました。右胸横のリンパ節付近にも転移があり、非常に大きなサイズになっていました。今後自壊につながっていくような皮膚表面上の腫瘍もありました。心臓肥大もあり、通常猫の1.5倍サイズでした。しおんの心身の状態を考え、当日午後から切除手術となりました。

手術後の面会時には、血液検査上はどこも異常がなく、ウイルス検査も陰性の結果とご報告がありました。レントゲン撮影で悪性度が推定されるほどの酷さであり、CT検査と外部検査は無用でした。手術の結果、うまくいけば半年から1年は生きられるかもしれない状態になりました。
しおんがちいさいときに保護されて家庭猫として暮らしていれば、乳腺腫瘍もこんなに大きくなる前に、ちいさなしこりのときに発見してもらえていたでしょう。人間には心を開く機会がなかったため、体内に抱えた腫瘍はそのまま大きくなり、自壊し、悪臭を放つほどになっていたのです。

手術後も麻酔でぐっすりと眠っているしおん。
しおんにとってのこの2週間は、空腹ゆえに思いがけず捕獲カゴに捕まり、自ら望んで受けたわけでもない開腹手術を2回も受けることになりました。気が休まる時間はあまりなかったと思います。この麻酔での睡眠で、はじめてぐっすりと眠ったのではないでしょうか。
週明けに(10/19)面会に行ったところ、病院の先生方とスタッフの方々に丁寧に診察とお世話をしていたただいたおかげで、しおんとの距離がすこし近づいたような気がしました。

これまでの保護猫さん以上に心身のケアが必要な状態です。摘出手術をしてくださった先生のお心遣いとご協力のもと、入院からそのままのお預かりをしばらくお願いできることになりました。開院日には面会に伺い、怖くない人間もいるかも?と思ってもらえるようになりたいと思います。なお、手術代と入院費については私が責任をもって負担します。
ウイルス検査が未了だったしおんのために保護スペースを2週間の長期にわたり提供してくださったPure Heart Loverさんに感謝申し上げます。手術をしてくださった先生方にも、ベストを尽くしてくださったこと、しおんのこれまでの状況に鑑みてご配慮くださったことを心から御礼申し上げます。しおんがお邪魔していたお庭のご家族様にもご心配をおかけいたしました。リリースしないと判断した私の意思を尊重してくださっただけでなく、しおんのフード代にとご寄付も賜りました。大切に使わせていただきます。またお名前をあげることはできませんが、しおんのことを気にかけてくださった皆様にも、温かいお気持ちを有り難く思っておりますことを、感謝とともに申し上げます。
⭐︎⭐︎ お知らせ ⭐︎⭐︎
2016年保護猫カレンダーを発売しています! 売り上げから印刷経費と他店販売手数料を差し引いた全額を、保護猫とご相談を受けたTNR不妊手術経費に充てる予定です。私の撮影した保護猫さんたち、里親様が撮影された写真も入っています! 今年の12月から利用できる体裁になっています。
オンラインショップはこちら→→ACART LIFE STYLE・ふわり
実店舗様でのお取り扱いもあります。→→necoco・tricoter
詳しくはこちら。

→→⭐︎さくらねこ❤️TNRとは?@公益財団法人どうぶつ基金
捕獲カゴの設置、猫さんの動物病院との往復の搬送は、猫さんのいる地域の保護団体であるPure Heart Loversさんが担当してくださいました。不妊手術の費用は、この猫さんたちがお庭にお邪魔していたご家族様が拠出してくださいました。
不妊手術を終えた時刻にPHLさんから私にいただいたご連絡で、予定外に捕獲された猫さんが乳腺腫瘍であることを伝えられました。そこで、この猫さんのリリースは中止していただきたい旨、PHLさんと不妊手術費用を出してくださったご家族にお願いしました。PHLさんは、この猫さんのために保護スペースを用意してくださいました。

初日からしばらくの間はケージレストをお願いしました。
翌日、手術を実施してくださった獣医さんに詳細を電話でおたずねしました。約3センチの腫瘍が自壊しており切除したものの、ほかにも腫瘍が複数あり今後自壊していくこと、本来TNR予定の猫さんであれば不妊手術のみを実施するのが通常であるにもかかわらず今回はあまりにも酷い状況のためやむをえず切除手術に踏み切ったこと、切除手術をしなかった場合の余命は約1週間ほど、というお話でした(不妊手術は予定通り実施)。
今後、切除していない腫瘍が増殖して自壊を繰り返していくことが予想されます。傷跡をケアしてあげられる関係の人間はいないので自壊した傷口からでる膿もそのままになるでしょう。だんだん寒くなってきている時節を考えると、不妊手術と腫瘍切除手術とを受けたちいさな身体で寒さに耐え、空腹に耐えることは難しく、ひとしれず寿命を終え、亡骸はゴミ扱いになることが想像できます。
これまで苦労した分、この猫さんの余生に、雨、風、寒さ、空腹の心配をしない生活を提供できればと考えました。ただ、この猫さんにとって、人間はまだまだまだまだ「怖い」存在です。
まずは名前をつけることから始めました。
私が初めてこの猫さんを見たのが9月28日でした。TNR予定の猫さんたちのお邪魔しているお宅にお伺いしたときに、玄関先にひっそりと佇んでいました。この日を境に、あたらしい猫生が始まったのだと考えました。9月28日の誕生花のひとつから「しおん(紫苑)」を選びました。
PHLさんも、しおんの状況を心配してくださり、しおんのために大切な一室を提供してくださいました。怖がりのしおんは、エアコンのうえに隠れたりして、どこに行ったのか?と私たちをとても心配させました。

乳腺腫瘍は悪性のものが多いので、今後のことを考えると、腫瘍専門の先生に診てもらう必要があります。空ちゃんも定期的に診察していただいてる二次診療機関を受診することになりました。
鎮静をかけての診察と検査の結果、すでに肺に転移していることがわかりました。右胸横のリンパ節付近にも転移があり、非常に大きなサイズになっていました。今後自壊につながっていくような皮膚表面上の腫瘍もありました。心臓肥大もあり、通常猫の1.5倍サイズでした。しおんの心身の状態を考え、当日午後から切除手術となりました。

手術後の面会時には、血液検査上はどこも異常がなく、ウイルス検査も陰性の結果とご報告がありました。レントゲン撮影で悪性度が推定されるほどの酷さであり、CT検査と外部検査は無用でした。手術の結果、うまくいけば半年から1年は生きられるかもしれない状態になりました。
しおんがちいさいときに保護されて家庭猫として暮らしていれば、乳腺腫瘍もこんなに大きくなる前に、ちいさなしこりのときに発見してもらえていたでしょう。人間には心を開く機会がなかったため、体内に抱えた腫瘍はそのまま大きくなり、自壊し、悪臭を放つほどになっていたのです。

手術後も麻酔でぐっすりと眠っているしおん。
しおんにとってのこの2週間は、空腹ゆえに思いがけず捕獲カゴに捕まり、自ら望んで受けたわけでもない開腹手術を2回も受けることになりました。気が休まる時間はあまりなかったと思います。この麻酔での睡眠で、はじめてぐっすりと眠ったのではないでしょうか。
週明けに(10/19)面会に行ったところ、病院の先生方とスタッフの方々に丁寧に診察とお世話をしていたただいたおかげで、しおんとの距離がすこし近づいたような気がしました。

これまでの保護猫さん以上に心身のケアが必要な状態です。摘出手術をしてくださった先生のお心遣いとご協力のもと、入院からそのままのお預かりをしばらくお願いできることになりました。開院日には面会に伺い、怖くない人間もいるかも?と思ってもらえるようになりたいと思います。なお、手術代と入院費については私が責任をもって負担します。
ウイルス検査が未了だったしおんのために保護スペースを2週間の長期にわたり提供してくださったPure Heart Loverさんに感謝申し上げます。手術をしてくださった先生方にも、ベストを尽くしてくださったこと、しおんのこれまでの状況に鑑みてご配慮くださったことを心から御礼申し上げます。しおんがお邪魔していたお庭のご家族様にもご心配をおかけいたしました。リリースしないと判断した私の意思を尊重してくださっただけでなく、しおんのフード代にとご寄付も賜りました。大切に使わせていただきます。またお名前をあげることはできませんが、しおんのことを気にかけてくださった皆様にも、温かいお気持ちを有り難く思っておりますことを、感謝とともに申し上げます。
⭐︎⭐︎ お知らせ ⭐︎⭐︎
2016年保護猫カレンダーを発売しています! 売り上げから印刷経費と他店販売手数料を差し引いた全額を、保護猫とご相談を受けたTNR不妊手術経費に充てる予定です。私の撮影した保護猫さんたち、里親様が撮影された写真も入っています! 今年の12月から利用できる体裁になっています。
オンラインショップはこちら→→ACART LIFE STYLE・ふわり
実店舗様でのお取り扱いもあります。→→necoco・tricoter
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